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哦对了,还没翻译完。

原标题:でんの子P インタビュー マニアックな要素をポップに聴かせる、ボーカロイド音楽ならではの「縛り」と作り方

2023.01.20

自 2007 年初音ミク发售以来,术力口文化一直在传播。虽然 miku 因为热门歌曲和国内创作者的制作变得越来越受欢迎,但在本系列中,我们采访了从这种角度来看,容易被忽视的那些有着另类表达方式的P主。这篇文章会举例一些特点,以及具体制作方法,来揭示术力口音乐文化的一个方面。

2007年の初音ミク発売以来、広がり続けているボカロカルチャー。大ヒット曲や国民的アーティストの輩出などによりますます一般化する中、本連載ではそうした観点からはしばしば抜け落ちてしまうオルタナティブな表現を追求するボカロPにインタビュー。各々が持つバックボーンや具体的な制作方法を通して、ボカロカルチャーの音楽シーンとしての一側面を紐解いていく。

在第8篇文章中登场的人物是:でんの子P。他的音乐跨越了各种各样的领域,比如碎核(breakcore)和儿歌,但他的主要特点是,流行音乐与他自己独特的感觉混合。这个P主一直吸引着非术力口活跃听众的关注(破圈),例如从 world's end girlfriend 管理的 Virgin Babylon Records 发行了很多歌曲。他的作品的另一个特点是,他经常发表音乐与视频结合的作品,通常有着高度的娱乐性,比如文字游戏和单元喜剧。这次,我们邀请他来谈谈,他是如何创作出这些充满创意的作品,以及他大部分歌曲中出现的歌姬:蒼姫ラピス。

第8回に登場するのは、でんの子P。その音楽性はブレイクコアやわらべうたなど様々な領域に及ぶが、独自のミクスチャー感覚によってポップスに帰結していることが大きな特徴だろう。world’s end girlfriendが主宰するVirgin Babylon Recordsからもリリースを重ねるなど、ボカロカルチャーの積極的なリスナー以外からも注目を集めるボカロPだ。また言葉遊びやコメディなど、音楽と映像が結びついたエンターテインメント性に富んだ作品を発表し続けていることもユニークな点である。今回はそのアイデア溢れる作品の制作方法や、ほとんどの楽曲で起用しているボーカロイド・蒼姫ラピスについても語ってもらった。

VOCALOID UTOPIA

让小众的元素听起来流行

マニアックな要素をポップに聴かせる

你第一次接触术力口是什么时候?

ボーカロイドに出会ったのはいつ頃でしょうか?

我忘了那是什么杂志,里面有免费试用版的 Megpoid(GUMI),我尝试使用她来唱歌时,我大受震撼。我被她如何唱出我输入的歌词所感动,我觉得自己做一首歌应该会很有趣。这距离我的初投稿的发布,大概是半年~一年前。

何の雑誌だったかは忘れちゃったんですけど、Megpoid(GUMI)のフリートライアルが付録でついていて、それを試しに歌わせてみたら衝撃を受けたんですよね。自分が入れた単語を喋ってくれることに感動して、楽しいから自分も曲を作ってみようかなと思いました。初投稿から半年~1年くらい前だったと思います。

在做P主之前,你听什么类型的音乐?

それ以前にはどのような音楽を聴いていたんでしょうか。

我小时候学过古典钢琴,但当时我并不对听古典音乐有多少兴趣。我听歌是从摇滚开始,然后是爵士乐和电子音乐,我感觉我最喜欢的音乐经常变。随着时间的推移,我感觉古典音乐可能也不错。

幼少期はクラシックピアノを習っていましたが、当時はクラシックを趣味として聴いていたわけではありませんでした。能動的に聴いた音楽としてはロックから始まり、ジャズを聴いたり電子音楽的なものを聴いたり、その都度好きな音楽が入れ替わっていくような感じで聴いてきたかなと思います。そのうちにクラシックもいいなと思うようになりました。

如果让你选择你的音乐根源的话,特别是从你听的音乐里,有什么特别的吗?

そのなかでも特に聴き込んでいたのはこの音楽、あえてルーツを挙げるとするならばこの音楽、というものはありますか?

如果有的话,我感觉我容易被极端的事物吸引。对于碎核(breakcore)来说就是这样,在摇滚流派中,你可能会想尽可能了解激进和极端的东西,比如所谓的死亡金属和碾核。

どちらかというと、極端なものや過激なものに惹かれる傾向はあるかなと思っています。ブレイクコアとかもそうですし、ロック系だといわゆるデスメタルやグラインドコアとか、できるだけ過激なものや極端なものを知りたいっていうのはあったかもしれないですね。

在这样的情况下,初投稿的「最最最讨厌」和随后的「时限恋人」都是爵士风格的歌曲。当你开始制作术力口歌曲时,你选择这样的旋律有什么理由?

そういったなかで、初投稿作の「大大大キライ」や続く「時限恋人」はジャズ調の楽曲でした。ボカロ曲の制作を始めるにあたって、このような曲調を選んだことに何か理由はありましたか?

当我想到让虚拟歌姬唱出什么样的音乐,并搭配怎么样的旋律时,自然而然地就感觉这样最合适了。我不知道术力口中流行或者主流的曲子是怎样的,所以我在创作时并没有意识到这一点。

ボカロを歌わせるにあたって、歌詞を乗せたメロディを歌わせる音楽はどんなものだろうかと考えたときに、自然とあの形になったという感じです。ボカロではどんな曲調が流行っているのか、どんな曲調が主流なのかは知らなかったので、そこはあまり意識せずに作りました。

大大大キライ

在当时,对术力口和术力口场景的印象如何?

その当時は、ボーカロイドやボカロシーンに対してどのような印象を持っていましたか?

我觉得有一种无处可看的感觉,更准确地说,外行很难看到,直到真正入门了才能理解它。所以,在我自己投稿歌曲,并且听别人的歌曲的时候,我意识到还有其他和我的类似的歌曲。

摑み所がないというか、外からだと見えにくくて、実際に中に入ってみないとわからないという感じがあったかなと思います。なので、自分が曲を投稿して、他の方の曲も聴いてみて、こういうものもあるんだというのを知っていった感じです。

其他P主经常创作融合了碎核(breakcore)和 Juke/Footwork 风格的歌曲,但我认为他们独特的地方在于,他们保留了 hard club 音乐的一面,同时依然融入流行音乐。请告诉我你是如何拥有这种音乐性的,你的意识是什么,以及你为实现它做了什么。

ブレイクコアやJuke/Footworkの要素を取り入れた楽曲をよく制作されていますが、ハードなクラブミュージック的な側面を残したままポップスとして成立させていることが特徴だと思います。このような音楽性に至った経緯や、意識していること、そのための工夫などを教えてください。

我从来没考虑过「让它成为一首流行歌曲」,我很感激你会这么说,让我意识到这一点。我认为这是事后的想法,但我想与大家分享我喜欢的音乐中,我认为很酷的很精彩的部分,所以我将它们与人声混合起来,使其流行并更容易听。从技术角度上,我不只是往歌曲里塞小众的部分,而是考虑诸如A小节是小众的,但如果副歌更有旋律感,可能会更容易听。

自分では「ポップスとして成立させる」といった形で意識したことがなかったので、そう言っていただけて気付くことができたのでありがたいです。後付けで考えたことなんですが、自分の好きな音楽のここがかっこいいとか素敵だと思うところをみんなに共有したいという気持ちがあったから、歌ものに混ぜてポップに仕上げて聞きやすくしようとしたという面はあるかも知れません。技術的な面でいえば、マニアックな曲調のパートだけで一曲通すのではなく、例えばAメロはマニアックだけどサビでメロディアスな歌が入ってくると聞きやすくなるかも、みたいなことは考えたりしています。

你还融入了其它各种类型的元素,比如「バ​イ​バ​イ​、​バ​ベ​ル​の​塔」的 Gqom,以及「つかまえた つかまえた」的 soca。

他にも「バ​イ​バ​イ​、​バ​ベ​ル​の​塔」はGqom、「つかまえた つかまえた」ではソカなど、色々なジャンルの要素を取り入れていますよね。

对的。「バ​イ​バ​イ​、​バ​ベ​ル​の​塔」是我在2016年写的一首歌,在大约一年前我知道了 Gqom,觉得它很有趣,所以决定用自己的方式去上试着写。我记得在保留了 Gqom 的特色节拍的同时,我还毫不犹豫地添加了旋律。

そうですね。「バ​イ​バ​イ​、​バ​ベ​ル​の​塔」は2016年に作った曲なんですけど、Gqomはその1年くらい前に知って面白いなと思ったので、自分なりの方法でやってみました。Gqomの特徴的なビートを残しつつ、メロディも躊躇なく入れて作った記憶があります。

バ​イ​バ​イ​、​バ​ベ​ル​の​塔

音轨制作者的设置与「限制」

あえて「縛り」を設けるトラックメイク

介绍一下你的制作环境吧。

制作環境について教えてください。

我一直使用 Cubase 作为我的宿主软件。使用 Halion 和 KontaKt 作为采样软件,使用 Massive 合成器,Pianoteq 钢琴,Trillian 贝斯,经常使用采样器来制作鼓组,但有时会使用 BFD Drums 作鼓组。另外,我想我经常会使用 Fabfilter 进行 EQ 和压缩。我对我买的东西不是很挑剔,所以我没有尝试很多不同的东西来做一件事,大多时候我只是用我买的第一个东西。

DAWはずっとCubaseを使っています。サンプラーはHalionとKontakt、シンセはMassive、ピアノはPianoteq、ベースはTrillian、ドラムはサンプラーで作ることが多いですが、BFDを使うこともあります。あと、EQやコンプはFabfilterを使うことが多いかなと思います。あまりこだわりがないので、色々と触ってここにたどり着いたというわけではなくて、最初に買ったものをそのまま使っているというのがほとんどです。

你通常在哪里获取鼓组采样?

ドラムのサンプルはどこから持ってくることが多いですか?

大多数时候,我使用类似于市面销售的采样集这类东西。比如,我会买大约 100 种不同的军鼓声音资产,然后从里面按自己感觉来选择。

市販のサンプルセットみたいなものを使うことがほとんどです。例えばスネアの音が100種類ぐらい入ったアセットを買ってきて、そこから選んで使うというような感じです。

我感觉你作品主题、故事、音乐性紧密相关。你在制作音乐、视频的时候会采取哪些步骤?

作品のテーマやストーリーと音楽性が強く結びついている印象があります。ご自身で動画を作る場合も含め、どのような手順で音楽を作っているのでしょうか?

虽然一看感觉是跟故事有关,但基本都是关于音乐的。我通常不会以“我想用这个主题做一些事情”、“我想做这样的视频”起头,更常见的情况是“我想用音乐做一些事情”。

一見ストーリーありきに見えるかもしれないですが、基本的には音楽ありきです。「こういうテーマでやりたい」「こういう動画を作りたい」から始まることはあまりなくて、「音楽でこういうことをしたい」から始まることが多いです。

我觉得如果「ミッション・ボーカロイド・コマーシャル」每次都有不同的副歌会很有趣,所以如果苍姬给miku做广告视频然后被骂,就可以很自然地可以每次有不同的副歌,就这样决定做了这个作品。

「ミッション・ボーカロイド・コマーシャル」はサビが毎回違う曲があったら面白いなと思って、ラピスがミクのCM動画を作っては怒られて作り直すという構成にしたら毎回違うサビでも自然に成立するかもしれないと考えて作った作品です。

ミッション・ボーカロイド・コマーシャル

「つかまえた つかまえた」源自将烟花爆炸声做成节奏的想法。如果用烟花的声音,季节就是夏天(夏日祭),所以它就成了一首夏日歌曲。

「つかまえた つかまえた」は打ち上げ花火のドンッという音でリズムを構成したいというところから来ています。花火の音を使うなら季節は夏だろうってことで夏の歌になっていきました。

つかまえた つかまえた

「かわらぬおもひ」的话,EDM 经常会有一种叫作 build-up 的结构,趋势逐渐向上,然后是一个称为 drop 的部分。但当预计 build-up 之后会出现很热闹的 drop 时,我想或许响起咚咚 咚咚咚,给听众泼冷水会很有趣吧。当我有一个真正想做的音乐想法时,围绕它创作东西,故事自然而然地就会发展。

「かわらぬおもひ」は、EDMはビルドアップと呼ばれる徐々に盛り上げていくパートの後にドロップと呼ばれる盛り上がるパートが来る構成を取るものが多いのですが、ビルドアップの後のドロップを期待したところにししおどしのカコーン、という音が鳴ったら肩透かしで面白いだろうなというアイデアから来ています。どうしてもやりたいという音楽的なアイデアがあって、その周りのものを作っていくとストーリーが自然と出来上がっていくという感じで作っています。

かわらぬおもひ

那么,我认为简单地创作包含你想要的元素的音乐是可能的,但为什么你要费尽心机去设定主题或者制作视频呢?

たとえば、単にやりたい要素を取り入れた音楽を作ることもやろうと思えばできると思うんですが、そこであえてテーマを設定したり映像を制作したりするのはなぜなんでしょうか?

听你这么说我也觉得很奇怪(笑)。当我开始制作视频时,有一段时间我觉得将音乐和视频联系起来很有趣,现在已经成为了对我来说最舒适的创作风格。有限制的时候,在这某一方面就无法自由;但在另一方面,限制也会带来有趣的事。在限制中,对我来说有趣的事情是,最终将我想用音乐表达的东西和故事联系起来,所以我认为这就是我现在创作风格的成因。

言われてみると自分でも不思議です(笑)。動画を作り始めたら音楽と動画を連動させることが面白くなってきた時期があって、今ではそれが自分の制作しやすいスタイルになっているんです。縛りがあると自由にできない面もあるけど、一方で縛りがあるからこそ生まれる面白さもある。制限がある中で、音楽的にやりたいこととストーリーを結びつけるのが自分にとって結局は面白いことだから、このような作風になっているんじゃないかなと思います。

我明白了。听你这样说,我理解的是主题赋予了音乐性变化,而音乐性也赋予了主题深度。

なるほど。そうやって聞くと、テーマによって音楽性に幅が生まれているし、また音楽性によってテーマに深みが出ているという印象も生まれました。

非常感谢,我很高兴听到你这么说。

ありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです。

是什么促使你为作品创作视频呢?

動画というフォーマットを活かした作品を制作するようになったきっかけは何だったんでしょうか?

在我的第一个视频中,我尽力把歌词字幕加到视频里,从那时起我逐渐学会了如何往视频里加歌词。从第三部作品开始,我不仅添加歌词,还尝试着切换场景,到第四部作品「たらとぅーと らたてぃーた」,我制作了一段随着歌曲进行,像是在拼拼图的视频。我做到了。将拼图与音乐同步真的很有趣,所以这种风格就是这样产生的。

最初に作った動画では歌詞を出すので精一杯だったんですけど、そこから少しずつ作り方を覚えていきました。3作目からは単に歌詞を出すだけじゃなく場面を切り替えてみたり、4作目の「たらとぅーと らたてぃーた」では曲が進むにつれてジグソーパズルが埋まっていくような動画にしてみたりしました。パズルがはまるタイミングを音楽と連動させてみたらすごく楽しかったので、そこからこのスタイルになっていったという流れですね。

たらとぅーと らたてぃーた

就早期作品而言,例如「スイートスイートスイートパズル」就是需要视频才能实现的作品。说真的,我感觉做起来会很难。

初期の作品でいうと、例えば「スイートスイートスイートパズル」はまさに動画だからこその作品ですよね。率直な感想ですが、作るのがとても大変そうだなと思いました。

那个作品有15块拼图。很抱歉这么说,的确非常困难,我不想再这样做了(笑)。我记得这个作品的诞生不太寻常,是先有视频的想法。这非常困难,因为我必须要计算拼图的移动,比如要移动多少像素,并且在制作的时候记笔记。也许当时是习惯制作视频,想挑战制作视频。

15パズルの作品ですよね。こういうことを言うとあれですけど、ものすごく大変だったので二度とやりたくないです(笑)。この作品は珍しく動画のアイデアから生まれたものだった記憶があります。パズルを何ピクセルから何ピクセルまで動かすみたいな動きを計算してメモしながら作ったので大変でした。動画作りに慣れてきて、動画のほうのチャレンジをしたい時期だったのかも知れません。

スイートスイートスイートパズル

你的工作中是否有流程是你认为其他人不会这么做的?

他の人はこんな作業や機材の使い方はしないだろう、というような工程はありますか?

首先,我使用器材的方式很正常,我并没有真正尝试制造独属于我的声音。我使用前面提到过的音源,当然我应用了均衡器、延时等效果器,但音调本身保持不变。说白了,比起制作食材本身,我更感兴趣的是如何料理食材。

まず機材の使い方に関してはかなりノーマルというか、音を作り込んで自分だけの音を鳴らそうということはあまりしていないです。先ほど挙げた音源の中に入ってるものをそのまま使っていますし、当然イコライザーやディレイなどのエフェクトはかけたりしますけど音色自体はそのままです。良く言えば素材よりもそれをどう調理するかのほうに興味があるという感じです。

至于工作过程,我有时会做一些事,比如二次混音一首完成的歌曲,剪切它改变它的成分,或者剪切粘贴我弹奏的钢琴部分的音频,或者采样它。至于虚拟歌姬,我也会将她们的声音放入采样器来使用。

工程については、一度2mixして仕上げた曲を切り刻んで構成を変えたり、演奏したピアノパートのオーディオデータを切り貼りしたりサンプリングしたりみたいなことはたまにやっています。ボカロに関しては、ボカロの声をサンプラーに入れて使ったりもしていますね。

我也思考过如何使用音乐理论和方法论中不太常见的方法,让音乐听起来更自然。比如,在添加旋律的和声时,通常会间隔至少3个半音,使其产生更美妙的共鸣,但如果添加仅相隔1个半音的音符,则会产生令人毛骨悚然的不和谐音。然而,有时这种感觉会发挥作用。例如,当你像让这首歌听起来像一个机器人,或者让它像是失去所有感情的可怕的人唱的,这种不自然就会变得更加有效。

また、音楽理論や方法論ではあまり一般的ではないやり方をどうすれば自然に聞かせられるかということは考えています。例えばメロディに対してハモらせるときは3半音以上開けることで綺麗に響くというのが一般的で、1半音しか離れていない音を被せると気持ち悪い不協和音になってしまいます。だけどこの気持ち悪さが活きる場面もあって、たとえばロボットっぽくしたいとか、感情が抜け落ちちゃった怖い人が歌っているように聞かせたいときにはむしろその不自然さが効果的になります。

在「きみきにきせき」中,重复了「从属和弦 → 属和弦 → 从属和弦 → 属和弦…」。在和弦进行中,从属和弦 转到 属和弦 后,有一种要回到主和弦的倾向,大多数音乐的音调都是根据这个规则创作的,即使创作者不知道这个理论。另一方面,如果你重复这个模式而不返回主和弦,你会感觉它永远不会结束,而且你会焦躁不安。歌里有一个场景,苍姬必须决定是否送出情书(1:58~),在她困惑时使用这个技巧,我认为这样实际上会突出场景令人不安的性质。

「きみきにきせき」では「サブドミナント→ドミナント→サブドミナント→ドミナント……」を繰り返すということもしました。コード進行において、サブドミナント→ドミナントのあとはトニックと呼ばれるコードに戻りたくなる性質があり、調性音楽の殆どは、たとえ作者がこの理論を知らなくてもこのルールに従って作られています。逆に、トニックに戻らずに繰り返すといつまでたっても終わらない感じが出て落ち着かなくなります。この曲ではラブレターを渡そうか渡さないか……みたいなシーンがあるんですけど(1:58~)、迷って行ったり来たりしている場面でこれを鳴らすことで逆にそのシーンの落ち着かなさを際立たせるようなことをやったりしました。

きみきにきせき

另外,在「限界幸福保護区」中,我在D小调的基础上放了E大调旋律(2:18~)。一般来说,小调听起来阴暗,大调听起来明亮,因此这种组合会产生不和谐的声音。这是我用来反向使用的一种技巧,用来表达在黑暗的分为中说明亮的话,我会感到害怕的感觉。

あと、「限界幸福保護区」ではDマイナーの上にEメジャーのメロディを乗せるということをやりました(2:18~)。一般的にマイナーは暗い、メジャーは明るい印象を与えるため、この組み合わせは不協和音になります。これを逆に利用して、暗い雰囲気の中で明るいことを言っている人がいたら逆に怖く感じる、みたいなことを表現するために採った手法です。

限界幸福保護区

我想创造作品主题与实现音乐想法有关,但似乎你有意识地试图让不自然的元素自然地实现。

音楽的なアイデアを成立させるためにテーマを作るという話にも関連すると思いますが、一見不自然に思えるような要素を自然に成立させるための工夫を意識的にやっているという感じでしょうか。

同意。说正在扩展这个理论有点夸张,但我想我还留有余地去做方法论不推荐的新事物,所以我希望我能尝试类似的各种东西。

そうですね。理論を拡張するというと大げさですけど、今までの方法論で推奨されなかったことには逆に言えば新しいことをする余地があると思っているので、そういうことを色々と試せたらいいなとは思っていますね。

在『VOCALOID CRESCENDO』之后的歌曲,比如「永久リアリティ」和「ツイストリブート」,我的印象是声音制作变得更加非传统。如果你参考或受到任何艺术家、流派或者歌曲的影响,请告诉我。

『VOCALOID CRESCENDO』収録曲以降の曲、例えば「永久リアリティ」や「ツイストリブート」などはトラックや音作りがより定型から外れてきている印象です。参考にしたり影響を受けたアーティスト・ジャンル・曲などがあれば教えてください。

その時々でやりたいことやかっこいいと思ったものを取り入れていることが多いかなと思います。「永久リアリティ」はキックとスネアを高速に連打するブラストビートと呼ばれるビートがやりたくて、「ツイストリブート」はハイパーポップからの影響ですね。

永久リアリティ

それ以外だと、「ボーカロイドせいりょく地図」「限界幸福保護区」ではバイレファンキを取り入れています。ブラジルに1980年代からあったジャンルなんですが、2010年代後半くらいから音数が減る方向に進化しているのが面白くて影響を受けました。

ボーカロイドせいりょく地図

「キリキリバラバラ」ではデスグラスというブルーグラスを速く激しくしたようなジャンルから影響を受けていますし、「おにがきた」ではトラップメタルという、ヒップホップから派生したトラップにメタルっぽいスクリームを混ぜたジャンルを取り入れたりしています。

キリキリバラバラ
「永久リアリティ」はブラストビートとのことですが、アーメンブレイクのように聞こえますよね。

アーメンブレイクは音色を、ブラストビートはリズムパターンを指す、というと分かりやすいかも知れません。Aメロが2回あるんですけど、1回目のほうはアーメンブレイクのスネアと他のスネアを重ねた音を使ってブラストビートのリズムパターンを作っています。2回目のAメロは音色はアーメンブレイクで、こちらはブラストビートではなくブレイクコア的なリズムパターンを組んでいたと思います。

「ツイストリブート」にはプリペアド・ピアノが入っているでしょうか?

そうですね、プリペアド・ピアノが面白いなと思ってAメロに入れていたと思います。あの曲のAメロは音楽的に危ういというか、バックトラックには調性感が乏しいけれどメロディだけはちゃんと歌ってる、みたいなことができたら面白いなと思って作った記憶があります。

ツイストリブート
以前からラップもよく取り入れていますが、特に「限界幸福保護区」や「おにがきた」ではフロウが複雑になったと感じました。あのフロウはどのようにして着想を得たのでしょうか?

打ち込みだからこそ無茶ができるというか、複雑なリズムでもラップさせることができるので、そこは模索しながら色々と試してみていますね。自分でラップしてからボカロに落とし込むみたいなことはしないので、たぶん自分がやったらできないんじゃないかと思います(笑)。

おにがきた

蒼姫ラピスというパートナー

主に蒼姫ラピスをボーカルにした楽曲を制作されていますが、蒼姫ラピスを起用している理由について教えてください。

GUMIのフリートライアルからボカロに入ったというのは先ほど言った通りなのですが、初めて購入するときはその当時販売されていたボカロの声を聴き比べてみて、その結果ラピスが一番良いなと思って決めたと思います。

先ほど「(実験的な要素がありつつも)ポップスとして成立している」という話をさせていただきましたが、まさのこのラピスの声によってポップになっている部分もあるなと思っています。ラピスの声についてはどのような印象を受けましたか?

当時はボカロのことをあまり知らなかったという話をしましたけど、その状態で頭の中で勝手に想像していたボカロのイメージに近かったんじゃないかなという気がします。あどけないというか、可愛らしいというイメージですね。

ボーカロイドを用いることのメリットはどういったものだと考えていますか?

ひとつは、よく言われているように自分が歌わなくてもいいし、歌える人にお願いしなくても歌が作れるというところですね。それに歌声を切り刻んだり、めちゃくちゃにエフェクトをかけてもいい。人間では歌えないような高さや低さ、サンプラー的に繰り返すような歌い方とか、いろんなことができるので遊ぶ余地があります。あと、先ほど言ったような半音下でハモらせるような自然でない歌は人間だとよほど上手い人じゃないと難しいと思うんですけど、ボカロだと容易にできるのでそういうところも良いなと思います。

ちなみに、ラピスをはじめボカロキャラクターが映像によく登場していますが、この点については何か考えがあってのことでしょうか?

そう言われて他の方の作品を思い浮かべてみると、ボカロキャラクターが出る作品が必ずしも多数派ではないことに言われて初めて気が付きました(笑)。はじめて動画を作るとなったときに、人に頼むなんて恐れ多くて出来なかったので、全部自分でやろうと思ったんですね。ラピスはすでにキャラクターがいたのでそれをもとにして描いてみたところから始まったんですが、何作か作っていくうちに愛着が湧いてきて今に至るという感じですね。

アルバムというフォーマットについて

2016年にはVirgin Babylon Selected WorksからEP『VOCALOID DYSTOPIA』をリリースされています。この経緯について教えてください。

ヒップホップの「証言」のトラックに乗せてボカロPが初音ミクでマイクリレーをする「初音ミクの証言」という曲に参加していたんですが、それがきっかけでレーベル側に知っていただいたようです。先に2015年に『ONE MINUTE OLDER』というコンピレーションに参加させていただいて、その流れでEPもリリースさせてもらったという流れです。

VOCALOID DYSTOPIA
動画というフォーマットと比べて、制作の重点や手順にはどのような違いがありましたか?

先ほどの話とも繋がりますが、まず音楽でやりたいことがあってそれからストーリーや動画を作っていくので、そういう意味ではスタートは一緒なのかなと思います。ただ、動画を作らなくちゃいけないという制約が取り払われた分、音楽のことだけを考えればいいので、普段よりのびのびと作れたかもしれません。アルバム収録曲のうち1曲はすでに動画として投稿していたんですが、残りの7曲はアルバム向けに新しく作ることになったので、色んなことを試してみようと思いました。それこそ、先ほどお話したGqomとかもそうですね。

2020年にはVirgin Babylon Recordsからアルバム『VOCALOID CRESCENDO』をリリースされています。前作と比べてすでに映像作品として発表されていた楽曲が多く収録されていますが、一枚の音楽アルバムとしても完成されていると感じます。『VOCALOID DYSTOPIA』以降は音楽単独でも成立するように作品の扱い方が変化したからなんじゃないかと思いましたが、実際には意識の変化などはあったのでしょうか?

なるほど、たしかにそうかもしれないですね。音楽と動画をいっしょに作るのは楽しいんですが、ときには純粋に音楽のみで楽しめる曲を作りたいなという気持ちもあるので、もしかしたらそういう気持ちが表れているのかもしれないです。一方で、動画がないと成立しない曲も定期的に作っています。ただ、そうした曲はアルバムに入れられなかっただけなので、音楽だけで成立しそうなものほどアルバムに集まってきたからそのように感じるということもあるかもしれません。

VOCALOID CRESCENDO

「無色透明祭」での経験

特に好きなボカロPを教えてください。また、最近注目しているボカロPはいますか?

最近はシーンをあまり追えていないので網羅的ではないんですが、何度も共作させていただいた松傘さんは特別な存在です。私が最初の作品を投稿していた頃に「エイリアン・エイリアン・エイリアン」という曲を投稿されていたんですが、それを聴いて衝撃を受けました。その後、色々と一緒にやらせていただく機会に恵まれて、その度に刺激を受けています。

松傘インタビュー 「ミックホップ」ムーブメントの立役者が語る、ボカロによるラップの進化の可能性

次にファーブルPさんです。おそらく今はこの名義では活動されていないと思いますし、投稿された曲数もそんなに多くないんですが、その1曲1曲に色んなジャンルやアイディアが詰まっていて、影響を受けています。

浮遊する夕方

あとはたのしいマグロダンスPさんですね。2020年にBandcampでリリースされたアルバムが昨年の年始ぐらいにSpotifyでも配信開始されたんですが、昨年に繰り返し聴いたアルバムとしてかなり上位にくると思います。上手く形容する言葉が見つからないんですが、すごい衝撃をいつもくださる方ですね。

次元上昇許可証パーティ​ (お母さん穴)

最近知った方では故やす子さんです。特にマス(数学)、カオティックと分類されるような複雑な作風の曲が印象的で、昨年出されたアルバムもよく聴きました。

加工させし、ユリー=ロッセ

あとは昨年開催された「無色透名祭」というボカロPが匿名で楽曲を投稿するイベントで投稿されていた「空洞カルテ」という曲が聴いたことのない表現で衝撃を受けました。イベント後に赤狐Pさんという方が作ったと公表されたので、今後の活動も楽しみにしています。

空洞カルテ
「無色透名祭」にはでんの子Pさんも参加されていましたが、投稿した作品に対する反響や、イベント全体に対して特に印象に残っていることはありますか?

作者が私だと当てるのが難しいけど分かる人にはわかるくらいの曲を目指したつもりだったんですが、蓋を開けてみたら「無色透名祭」の投稿作品数が3000曲ぐらいあって、その曲数の中で当てるにはとても難しく、本気のかくれんぼになってしまったことを少し反省しています(笑)。振り返れば、30曲ぐらいの中だったらいい感じに当ててもらえるくらいのわかりづらさだったと思います。

無色透名祭、作者非公開にしてましたが気が変わりました。こちらの2曲でした!

スゴロクカラフルhttps://t.co/lj5sSav1VG
縛https://t.co/dss9xSsVpq

聴いてくださった方はありがとうございました! https://t.co/cTxSOZxb0T— でんの子P(12/23 アルバム配信) (@dennoko_p) August 10, 2022

一方、自分の作品ではない曲を聴いていたら「でんの子Pの曲かな?」とコメントしてくださっている方がいて、そうした曲に対してこの曲のどんな部分が自分と似ていると認識されているのかと考えるのはすごく刺激的でした。「これは誰々の曲じゃないか?」みたいなことを言うべきか否かは賛否両論だと思いますが、自分としてはそういったコメントはたとえ予想が間違っていたとしても否定的な感情は全くなくむしろ勉強になりました。

ボカロシーンやボカロカルチャーのどのような部分に面白みを感じていますか?

ちょっと質問の意図と違う回答になるかもしれませんが、私が作品を投稿し始めた頃は自分にとってボカロという存在が新しかったので、ボカロと何かを組み合わせる余地がたくさんありそうだと感じたんです。実際に最初の一年でヒップホップ、演歌、Juke/Footwork、ブレイクコア、エレクトロスウィング、ファンコットなどを作りました。もちろん、自分が知らないところですでにそういうものを作っていた方もいらっしゃったと思うんですが、気持ちとしてはそういった感じでわくわくしながら作ることができていました。

今は良くも悪くもボカロが身近になり、「ボカロとこれを組み合わせるから面白い」という段階は自分の中ではすでに過ぎたと思っているので、人間が歌う・ボカロが歌うは関係なく面白いものを作れたらいいなと思っています。

国外でのバイラルヒットから見えたこと

「VOCALOID UTOPIA」や「大大大キライ」の国外でのバイラルヒットについて、その経緯や反響などを教えてください。

「VOCALOID UTOPIA」の方はリリース元のVirgin Babylon Recordsから教えてもらってはじめて知ったぐらいなので、どういう経緯で盛り上がっていったのかまったくわからないんですよね。「大大大キライ」についてはYouTubeでの反応が増え始めて、Spotifyでも聴きたいというリクエストをいただいたので他の初期作品とまとめてリメイク/リマスタリングしたものを『DENNOSTALGIA』というEPにまとめて、2021年にリリースしたという感じです。

DENNOSTALGIA
「VOCALOID UTOPIA」はTikTokで広まっていったのかなと思っています。あと、Spotifyの公式プレイリストにも入っていましたね。

そうか、たしかにTikTokですね。Virgin Babylon Recordsさんから教えてもらって見たので、おっしゃる通りだと思います。Spotifyについても、「きくお Radio」というきくおさんに似たテイストの曲を集めたプレイリストに追加されたことを通知で知ったりしていたので、ある程度認知しています。ちなみに公式プレイリストってどんなものですか?

Spotifyのでんの子Pさんのアーティストページから見られるんですが、「webcore」という公式プレイリストに入っていましたね。

ありがとうございます、後で聴いてみます。自分の曲が入っているプレイリストを聴くのはすごく楽しいという発見を最近しました。感性が近いというか、自分の曲を好きな人が気に入る曲だったら自分が聴いても好きになることが多いし、またそうした曲から新しい発見をすることもあるので、積極的に聴くようにしています。

これは深読みかもしれないんですが、海外のリスナーが増えているなかで「▙▜▞▗▘」という架空言語の曲を発表したのは何か意図があるのかなと思ったんですが、実際のところどうでしょうか?

それがきっかけで発想したわけではないのですが、ただ、言葉がわからなくても曲の内容は伝わるかなという思いはあったと思います。でも、みなさんの反応を見てるとそこはあまり関係なかったのかなという気がしています。それこそ印象的だったのが、「日本語が読めないから、この歌詞の意味を知りたいです」みたいな英語のコメントをいただいていて、別の親切な方が「これは日本語じゃなく、存在しない言葉だと思います」というやり取りをされていたんですね。たしかに自分の知らない言語だと存在する言語かどうかも判別しにくいだろうという気づきがあって、興味深かったです。

▙▜▞▗▘

今後の展望

ご自身の活動において特に大事にしていることは何でしょうか?

自分自身が楽しめて、刺激を感じられることを最優先にしたいです。先ほどの例のように、数字が他の曲に比べて大きく増えた経験があるとやはりうれしいものなので、どうしても数字を意識して「この曲調だとあまり聴いてもらえないかな」といったことを制作中に考えてしまいます。もちろん、数字が増えるということはたくさんの人が聴いてくださっているということなので大事ではあるんですが、制作中はそこを意識し過ぎずに、自分が楽しくて刺激を感じられるようなこと、新しいことにチャレンジし続けることを第一にしたいと思っています。

今後の活動の展望や目標についても教えてください。

どこを目指すというよりは楽しく長く作り続けること、かつ自分にとって新しく刺激的なことを続けるというのが一番の目標かなと思います。あと、ラピスのバージョンがV3で止まっているんですが、バージョンアップされるためにはどんな努力が必要なんでしょうか……(笑)。

最近、CoeAvatarとして喋るほうのライブラリが新しく発売されていましたよね(笑)。でも、でんの子Pさんの作品をきっかけにラピスを好きになった人はかなりいると思います。

もしそうであれば嬉しいです。喋るほうのライブラリの発売をきっかけに、歌うほうもバージョンアップしてほしいですね。

取材・文:Flat
編集協力:しま

でんの子P プロフィール


2014年より、主に蒼姫ラピスを使用したボカロ作品の投稿で活動中。

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YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC9eN4L-2cJDdkI2RWSIDILw
ニコニコ:https://www.nicovideo.jp/user/39550403/video
Spotify:https://open.spotify.com/artist/3rOrXW6Tv20yUlonxXgSPP
その他サブスク:https://www.tunecore.co.jp/artists?id=152063
全作品リスト:http://dennokop.starfree.jp